投稿日:2006-05-01 Mon
成田一 (NARITA Hajime)
大阪大学大学院 言語文化研究科 教授
E-Mail: narita@lang.osaka-u.ac.jp
- 〈研究科担当科目〉
- 言語構造論研究、言語情報科学特別研究
- 〈研究テーマ〉
- 英日対照構造論/言語計画/機械翻訳
- 〈所属学会〉
- 日本言語学会、関西言語学会、言語処理学会、自然言語処理研究会(情報処理学会)、大学英語教育学会、ことば工学研究会(人工知能学会)、アジア太平洋機械翻訳協会、日本翻訳協会
[教育活動]
言語は人文系学部だけではなく医・歯、理工系学部の学生が専門的な分野を勉強する場合にも直面する問題であるため、学術的な裏付けがある原書を独自に編集 し詳しい注釈と解説をつけて出版した数冊の市販テキストなどを使って説明している。最近は共通教育の英語教科書としてTHE WORLD OF LANGUAGE[注解コラム41頁]松柏社2002.9を出版している。
大学院の授業では、日英語の構造の対照研究、機械翻訳を中心とした自然言語処理に関わる諸問題のほか、英語学習上の諸問題を、言語差、言語獲得の仕組み、言語障害、バイリンガリズムなどを踏まえ、日本における英語教育、カリキュラムなどにも留意して、広範囲に扱っている。
[研究活動]
言語情報の認知的処理プロセスという視点から、日英語の種々の文法現象を研究してきた。英語の数量名詞、二重属格、限定詞の射程など名詞句の内部構造なら びに関係節を扱ったが、特定研究「言語情報処理の高度化」(86-88年度)からは日英語の対照研究と機械翻訳への応用に専念。特に、日本語の多様な連体 修飾節については、普遍的な基本構造から言語固有の構造を派生する仮説を立てて相互関係を解明した。また「構造還元変換」などの操作を設定して機械翻訳に 応用している。さらに、内外の翻訳システム・ソフトの翻訳能力を独自の「構造処理能力の評価法」によって検証し、言語処理上の問題点と解決法を提案。な お、機械翻訳の研究には企業からの助成を20数回受けている。90年代中葉からは日本における英語教育の諸問題を論及するとともに、具体的な改善提案を専 門誌上や新聞で発表するほか、中高の先生を対象とする公開講座や市民講座においても持論を展開。
著作・論文ほか〈過去3年間:2004年3月時点、近日更新予定〉
- 「機械翻訳はどこまで人間に迫れるか」『AI JAPAN』pp.43-59白夜書房2000.1
- 「英日・日英機械翻訳の実力」『第6回年次大会発表論文集』pp.51-54言語処理学会2000.3
- 「機械翻訳の限界に挑む」『CAT』pp.33-35アルク2000.7
- 「グローバル・コミュニケーション・ツールとしての翻訳ソフト」『日経WebCOMPANY』pp.57-58日経事業出版社2000.10
- 「効果的な早期英語教育を 日本人の英語−変革の時」『CAT』pp.33-35アルク2000.10
- 「21世紀の英語教育」『言文だより 18』pp. 17-21大阪大学言語文化部2001.3
- 「人間に迫る機械翻訳-人間との共同作業-」『IJET-2000』pp.86-110(第11回英日・日英翻訳国際会議プロシーディング)2001.6
- 「小学校→大学までの英語教育改革を考える」『CAT』pp.33-35アルク2001.11
- 「特別講座・機械翻訳ことはじめ」『翻訳辞典2002』pp.162-169アルク2001.11
- 「機械翻訳はなぜ見放されたのか?」(機械翻訳の薦め−その1)『Translators’』(84号) pp.10-11日本翻訳協会2002.3
- 「今こそ機械翻訳を見直そう」(機械翻訳の薦め−その2)『Translators’』(85号) pp.8-9日本翻訳協会2002.8
- 「MTの現状と今後[国内篇]」『eとらんす』pp.26-30バベル・プレス2002.8
- 「翻訳ソフトあれこれ」『私のおすすめパソコンソフト』pp.143−156岩波書店2002.8
- 「英語嫌いのための 最新・翻訳ソフト活用術」(企画編著)『SPA!』pp.69-81扶桑社2002.10
- 「今こそ機械翻訳を見直そう」(機械翻訳の薦め−その3)『Translators’』(86号) pp.12-13日本翻訳協会2002.12
- 「ブリッジ方式による多言語翻訳」(機械翻訳の薦め−その4)『Translators’』(87号) pp.12-13日本翻訳協会2003.3
- 「大阪大学における英語教育をいかにするべきか」『言文だより 20』pp.5-7大阪大学言語文化部2003.3
- 「英語教育の理念と目標と問題点」『日本における英語教育の諸問題』pp.1-12(言語文化共同プロジェクト2002)大阪大学言語文化部・言語文化研究科2003.4
- 「日本語は知的な言語」(日本人とことば−その1)『Translators’』(88号) pp.12-13日本翻訳協会2003.7
- 「特許文の改善に向けて —特許文書の問題点—」『eとらんす』pp.62-65バベル・プレス2003.8
- 「外来語の氾濫と言い換え」(日本人とことば−その2)『Translators’』(89号) pp.17-19日本翻訳協会2003.9
- 「カタカナで英語が話せるか 英語らしい発音と聴き取りの秘儀」(日本人とことば−その3)『Translators’』(90号) pp.13-16日本翻訳協会2004.1
- 「日本人のための英語学習」(日本人とことば−その4)『Translators’』(91号) pp.14-17日本翻訳協会2004.3
[その他の活動]
学会活動・社会的活動情報処理学会の「自然言語処理研究会」、人工知能学会の「ことば工学研究会」の開催校責任者を各4回、1回委嘱される。ほかに国内外の学会のセッション座 長、「計算言語学会国際会議」組織委員会委員などを務める。情報処理学会「自然言語処理研究会」委員を歴任。米国政府より国際知的所有権会議に招聘され 「自然言語処理技術と知的所有権」について講演。現在、誌上連載の形で特許文の改正に向けてキャンペーン活動を行っている。
学会等での口頭発表50回ほどのほか、『日本人の英語』1998.7(京都市生涯学習総合センター)、「人間に迫る機械翻訳」(『英日・日英翻訳国際会 議』)2000.5、『機械翻訳の世界〜開発の現状と利用〜(3回連続)』2000.11〜12(関西情報センター)、『機械翻訳の言語的基盤〜多段階統 合翻訳により人間に迫る』2001.6(アジア太平洋機械翻訳協会)、「機械翻訳研究の発展と英語教育への応用」(『IT時代の英語教育−機械翻訳・ CALLの立場から−』)2002.9(英語教育学会関西支部秋季大会)など、公開講演やセミナー、学会での招待講演、大学での講演も多数。新聞、専門 誌、一般誌のコラムやインタビュー記事も少なくない。また14年度に言語文化部・研究科主催の公開講座『教員のための英語リフレッシュ講座』を立ち上げ 16年度も責任者として尽力。
〈今後の研究計画〉
機械翻訳における言語処理について、学会、講演、新聞・雑誌の記事・論説において開発者に提言、市民の啓蒙を行うほか、言語学的知見に基づいて、日本にお ける英語教育の諸問題を論及するとともに、あるべき姿について具体的な提案を公表し、公開講座などにおいても持論を解説したい。また、(文部科学省の勧奨 もあり)英語教育の改善を目指す院生が増えつつあるが、その研究を理論・実践面から手厚く指導、支援する予定だ。
△ PAGE UP


