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未分類 | 23:37:26
第七回英語教育総合研究会

日時 2008629日(日)1300-1720
場所 大阪大学大学院言語文化研究科新棟大会議室(豊中キャンパス:HP参照)

1300-1340 特別講演『英和・和英辞書の軌跡』

永嶋大典(元プール学院大学学長・元大阪大学教授)

       情報5分)

1345-1720 シンポジウム『英和辞書の新動向』

コーディネーター:成田一(大阪大学大学院教授):「辞書を生かす」

瀬戸賢一(大阪市立大学大学院教授):「意味ネットワークを英和辞典に書き込む」

赤野一郎(京都外国語大学教授):「コーパスに依拠した英和辞書編纂の実際」

       休憩5分)

八木克正(関西学院大学教授):「辞書と教科書の語法と用例」

横川博一(神戸大学准教授):「言語運用からさぐるメンタルレキシコンの語彙情報」

石川慎一郎(神戸大学准教授):「辞書メディアの変遷:今後の方向性を考える」

       休憩5分)

総合討論&質疑応答


参加費300(飲料提供)参加資格:なし、一般の方の参加自由。ご参加の方は直接会場にお越しください。

問い合わせ・発表申し込み:大阪大学大学院 成田研究室 email: narita@lang.osaka-u.ac.jp

研究会年会費無料。研究会への会員登録希望の方はお名前とご所属をメールで連絡ください。毎回(47月、912月に各12回)詳しい発表内容を配信します。


懇親会1740-1900

(当日参加も可能ですが、参加希望の方はできれば事務局にメールください。)

場所:大阪大学大学院言語文化研究科旧棟大会議室

費用:教員−1000円 院生−800円(予定)


講演概要ほか


永嶋大典『英和・和英辞書の軌跡』:訳語を中心に初期の英和辞典を考察すると、蘭学から英学への継承、先行辞典への依存、漢字表記の横溢、といった言語文化史的軌跡が浮かび上がってくる。現代日本語が確立定着した明治後期以後は、訳語はもはや指標とはならず、英米の辞書(とくにCOD)の導入が本格化し、編集も主幹の下でのチームワークが一般的となる。今日では(学習)英和は理論的にも実践的にも高度に発達しているが、和英(英語表現辞書)はどうであろうか?ここではまだ開発の余地があるのではなかろうか?

プロフィール:大阪大学言語文化部教授、関西外国語大学教授、プール大学短期大学学長、甲子園大学教授を歴任後、退任。The Samuel Johnson Club of Japan 創設(1998年まで幹事)、Dr Johnson’s House Trust(London)理事。代表的な著書に『蘭和・英和辞書発達史』講談社、『英米の辞書:歴史と現状』研究社、ボー/ケイブル『英語史』(共訳)研究社、『英訳聖書の歴史:付邦訳聖書小史』研究社、Johnson the Philologist 関西外国語大学、『サミュエル・ジョンソン百科事典』(監訳)ゆまに書房など。


シンポジウム・コンセプト


最近の英和辞書はコーパスに依拠したものが主流だが、これには利点だけでなく問題点もある。利点というのは古い廃れた用例が生きた用例に改められたことがあるのと使用頻度に準じている点で使いやすいということだ。ただし、問題点もある。Webの コーパスには母語話者以外の者の書いた不適切・不自然な用例もないわけではないので、これをフィルターするには高度な英語力がいる。辞書に採用されている 用例には疑わしいものもある。また、学習者の側からすると、限られた時間で語意を調べる場合、頻度順に若干の訳語を選びそれを基に文脈に合わない意味に訳 してしまう危険性が高い。本来はコアとなる意味を理解しそれを文脈に応じて適切な訳語に置き換える能動的な意味理解を行うのが学習方略としては妥当なもの だ。

シンポジウムでは、最近の英和辞書の動向と優れた点と問題点を辞書編纂者、言語研究者の立場から検討する。


成田一「辞書を生かす」:辞 書情報には、発音、意味、文法・構文情報などがあるが、学生にはそれいかに読み込むかを教えなければならない。辞書の発音記号は簡略表記なので同じ記号で も生起環境によって実際の音価が異なるため、「発音記号の音価と音変化の仕組み」を教えることが、発音指導の基礎となる。また、辞書の意味というのは現実 には訳語だが、原語とは意味領域が微妙にズレるので、辞書はそれを説明する必要がある。さらに、同じ動詞であっても意味が違えば構文情報が変わることも教 えたい。

プロフィール:大阪大学大学院言語文化研究科教授。機械翻訳、英日対照構造論、英語教育専攻。言語教育談話会代表、英語教育総合研究会代表、情報通信技術研究交流会運営委員。『名 詞』(「現代の英文法6」)(共著)研究社、『ことばは生きている』(共著)人文書院、『こうすれば使える機械翻訳』(編著)バベルプレス、『日本語の名 詞修飾表現』(共著)くろしお出版、『パソコン翻訳の世界』(単著)講談社、『私のおすすめパソコンソフト』(共著)岩波書店、『英語リフレッシュ講座』 (編著)大阪大学出版会ほか。

瀬戸賢一「意味ネットワークを英和辞典に書き込む」: 現在の英和辞典の主流は、語義を頻度順に並べることによるアクセスの利便性を重視する。しかし、この方法では多義語の意味を体系的に記述するのが難しいと いう問題がある。認知言語学における多義語の理論的・記述的研究に基づいて、また、『英語多義ネットワーク辞典』(小学館,2007年)の記述を基礎として、新しい英和辞典における「意味のまとまりと展開がよくわかる記述」の可能性を具体例とともに探りたい。

プ ロフィール:大阪市立大学大学院文学研究科教授。英語学、レトリック専攻。『よくわかる比喩』(単著)研究社、『日本語のレトリック』(単著)岩波書店、 『認識のレトリック』(単著)海鳴社、『メタファー思考』(単著)講談社、『空間のレトリック』(単著)海鳴社)、『英語多義ネットワーク辞典』(編著) 小学館,『ことばは味を超える』(編著)海鳴社など。

赤野一郎「コーパスに依拠した英和辞書編纂の実際」:英和辞書編纂にコーパスを活用をするケースが増えつつある。従来の辞書編纂とどのように異なるのか。なぜコーパスがもてはやされるのか。コーパスで辞書編纂のなにが変わるのか。本発表では、『ウィズダム英和辞典<2>(2007三省堂)から、語義区分・内包的意味・用例・類義語におけるコーパス利用の実際例を示しながら、これらの問題に答える。

プロフィール:京都外国語大学教授、同大学院研究科長。コーパスに基づく語法研究と辞書学専攻。20084月より英語コーパス学会会長に就任。主な編著書:『英語コーパス言語学 基礎と実践』(研究社)、『ウィズダム英和辞典』(三省堂)。

八木克正「辞書と教科書の語法と用例」:雑誌『英語教育』(2008.5)QBに「the method to doは不可か」という記事が出た。英和辞典ではthe method of doing/ for doingが正しく、the method to doは不可と記述されているが、高校英語教科書Unicorn English Writing (文英堂)の教授資料に、the best method to acquire a foreign languageの 例がある。この英語は正しいか、という問いと回答である。英和辞典、学習参考書、文法書、入学試験問題の解答例などで記述の食い違いがあることは特に珍し いことではない。このようなことはなぜ起こるのか、日本の英語教育の中身はこれでいいのか、というような視点から、辞書の記述とその説明責任を考える。

プロフィール:関西学院大学教授。英語学、辞書学、phraseology専 攻。英語語法文法学会前会長、日本英語音声学会副会長。『新しい語法研究』(単著)山口書店、『ネイティブの直観にせまる語法研究』(単著)研究社出版、 『英語の文法と語法―意味からのアプローチ』(単著)研究社出版、『英和辞典の研究―英語認識の改善のために』(単著)開拓社、『新英語学概論』(編著) 英宝社、『世界に通用しない英語―あなたの教室英語、大丈夫?』(単著)開拓社。『ユースプログレッシブ英和辞典』(編集主幹)小学館。

横川博一「言語運用からさぐるメンタルレキシコンの語彙情報」: 語彙知識は、私たちがことばを使ってコミュニケーションするときには、決定的に重要である.話したり、書いたり、読んだり、書いたりするときには、脳内に あると仮定されているメンタルレキシコンにアクセスし、情報を参照しながら、これらの活動を行っている。講演では、脳内にどのような語彙情報が、どのよう な形で格納されているのか、言語運用の観点から言語学、心理言語学、認知神経科学の3つのレベルで迫ってみたい。

プ ロフィール:神戸大学国際コミュニケーションセンター准教授。心理言語学、英語教育学専攻。第一言語の心的処理,第二言語の心的処理、第二言語習得、外国 語学習の総合的な関わりを研究。『教育・研究のための第二言語データベース 日本人英語学習者の英単語親密度(文字編)』(編者)くろしお出版、『英語語 彙指導ハンドブック』(共著)大修館書店、『英語のメンタルレキシコン:語彙の獲得・処理・学習』(共著)松柏社、New Crown English Series, EXCEEED English Series(共著)三省堂。

石川慎一郎「辞書メディアの変遷:今後の方向性を考える」: 辞書のありかたを論じる場合、記述の正確性や妥当性など、その内容に焦点が当てられることが多いが、同じく重要な観点は内容を載せるメディア(媒体)の問 題である。近年の電子辞書の急速な普及は、書籍版辞書を前提としてきた我々の辞書観に大きな修正を迫っている。本発表では、1980年代以降の書籍版辞書から電子辞書への移行の過程を時系列に沿って振り返った上で、今後の辞書の方向性について、(1)自律学習支援、(2)学習者用調整コーパスという2つの点から考えてみたい。

プロフィール:神戸大学国際コミュニケーションセンター准教授。応用言語学専攻。(辞書関係の業績として)『English Lexicography in Japan』(共編著)大修館書店、『英語辞書学への招待』(共訳)大修館書店、『ウィズダム英和辞典初版』(項目執筆)三省堂、『ウィズダム和英辞典』(項目執筆)三省堂、近刊『コリンズ・コウビルド米語辞典』の「付属ハンドブック」。



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